家づくりコラム

多くの住宅会社がおススメし、いまや住宅の基本性能ともいえる「高気密高断熱」
快適になるとは言いますが、高気密高断熱にすることによってどう生活がかわるのでしょうか?
今回は「高気密高断熱」について掘り下げていきます!

  1. そもそも高気密・高断熱とは?
  2. おススメするだけの良さがある!高気密高断熱住宅のメリット
  3. いいことばかりでもない?高気密高断熱住宅のデメリット
  4. 高気密高断熱の家をつくるには

そもそも高気密・高断熱とは?

高気密とは

高気密とは密閉性が高いということ。家に外気が侵入するような隙間がなく、また家の中の空気を逃がさないような状態をいいます。
住宅に隙間ができるところといえば、壁・天井・窓などを接続している部分や、パイプなど管を通した穴の部分です。ここの隙間をどれだけゼロに近づけられるかで気密性が左右されます。



気密性は、家の延べ床面積に対して隙間面積がどれだけあるかのC値(相当隙間面積)で表されます。
例えば30坪(99.17㎡)の家で、C値=1なら家全体の隙間は99.17㎠。家全体で名刺2枚分ほどの隙間があることになります。
さらに同じ30坪の家でC値=0.5なら、隙間は名刺1枚分。C値が小さいほどすき間が少ないということになります。


アイフルホームのセシボ零・極では、開口部(窓・ドア)施工後に建物の気密測定を行い、C値の報告書をお施主様にお渡ししています。



高断熱とは


高断熱とは壁・床・天井に断熱材を使うことにより、室内の温度を外に逃がさないようにした状態をいいます。
紙コップと保温カップをイメージしてみてください。温かいコーヒーをいれたときに、紙コップはすぐ冷めていきますが、保温カップだと長時間温かいままです。このように外気に影響されにくい高断熱住宅は家の中を適温に保ってくれます。



断熱性の指標はUA値(外皮平均熱貫流率)で表されます。
外皮表面積(建物が外と接している面積)1㎡あたりにおける、室内から外へ逃げる熱量を示しています。
こちらもC値と同じく小さい方がよい数字で、値が少ないほど熱が外に逃げにくいということになります。


おススメするだけの良さがある!高気密高断熱住宅のメリット



エネルギーロスをなくして電気代削減

高気密高断熱の家は外気に影響されにくく、一定温度を保つのが得意です。エアコンを使用しない時の室温(自然室温)も維持できるため、「夏涼しく、冬暖かい」家になります。
エアコンは温度差を解消するときに最もエネルギーを使いますから、自動運転にして設定温度を維持するようにしておけばエネルギーロスが少なくなり電気代の節約になります。

体感温度が変わる

同じ室温でも体感温度に差が出てきます。
例えば20度設定で暖房をかけたときに、断熱性の低い家では壁や床が冷たいままになり、体感としては20度より寒く感じられます。そうなると暖房を増やしたり設定温度を上げる必要が出てきます。
また気密性が低い家では隙間風で室内に温度のムラができ冷たい空気が足元に下がってきます。
高気密高断熱にすることで空気とともに壁や床も暖められ、部屋の上下温度差も少なくなります。

熱中症予防にも断熱が有効

断熱性の高い住宅にすることで、外気の熱の侵入を遮り冷房効果を高め、熱中症予防につながります。

ヒートショックを軽減

トイレやお風呂を使うとき、部屋間の温度差が大きいとヒートショックのリスクが高まります。
冬場では暖房をかけている部屋とかけていない部屋で20度近くの温度差ができることも。断熱性を高め家全体の温度を安定させることで、危険なヒートショックの解消に貢献します。

効率のよい換気

気密性の低い家では隙間風が入ることで空気の流れがバラつき、こもりやすい場所が出てきてしまいます。湿気や室内の物質がこもった場所はカビや嫌な臭いが発生する原因に。気密性を高め効率よい換気の流れを作ってあげることでカビや臭いを抑えられます。

遮音性が高い

気密性を高めることで、空気の出入りだけでなく音の出入りも少なくなります。外が騒がしい環境でも、家の中では静かに過ごせます。


いいことばかりでもない?高気密高断熱住宅のデメリット



一度暑くなると冷めにくい

夏真っ盛り、夜帰ってきて家に入ると外より室内が暑い!そんな場合があります。保温性が高いゆえに、昼間にじわじわ上がった温度が保たれているのです。
お出かけの際にはカーテンを閉めて、エアコンをつけっぱなしにしておく方がかえって省エネになる場合もあります。

服選び失敗?

家の室温の感覚で服を選ぶと、いざ外に出ると思ったより寒かったり暑かったり。外気温を遮断する高気密高断熱の家では外の気温を察知しづらいため、家を出てすぐ上着を取りに帰るなんてことも起こりえます。
特に気候が安定しない春秋は天気予報のチェックが欠かせなくなります。

建築費用が割高に

高気密高断熱の家にするためには高機能の材料を使い施工にも手間をかけるため、その分工事費用が高くつきます。建築見積をみたときには「うーん」と唸ってしまうかもしれません。
しかし住み始めてから10年20年とかかるであろう冷暖房費用を考えるとどうでしょうか。
冷暖房効率がよいので光熱費は低く抑えられますし、なにより暑さ寒さのストレスが激減します。
費用をかけるのはイニシャルコストか、ランニングコストか。どこまでの快適さを求めるのか長い目で考える必要があります。


高気密高断熱の家をつくるには


高気密高断熱の家をつくるテクノロジー


家全体を守る高性能パネル

壁と天井面には、構造用面材と高性能断熱材を一体化したHQP(ハイクオリティパネル)を使用しています。
断熱材は最高ランクの断熱性能をもつフェノールフォーム。薄くても高い断熱性を発揮し、しかも燃えにくい素材です。

太陽熱から守る遮熱シート

遮熱型透湿防水シートと遮熱シートを適宜併用し、輻射熱を反射させて室内への熱侵入を低減します。

開口部を守る高性能サッシ

熱の出入りが最も多い開口部。窓サイズや設置場所に応じてトリプルガラス、複層ガラスを使い分けています。
トリプルガラスには空気より熱が伝わりにくいガスをガラス間に充填しているため、日光が差しても室内が暑くなりにくくなっています。


最も重要なのは職人さんの施工力



上記のようなすばらしい材料ですが、最終的にこれを生かすか殺すかは職人さんの技術力次第。
いい断熱材も使うべきところに使わないと意味がありませんし隙間だらけでは無駄遣いになってしまいます。
施工上、断熱材同士のつなぎ目や他部材との接合部分には隙間ができやすいのですが、このような部分はなるべく隙間を作らないようつないだ上でテープやシーリング剤などで補強しています。細かな作業の出来で性能が左右されるので、施工力は一番重要といえます。


アイフルホームのモデルハウスでは、気密性能・断熱性能についてイラストや模型を使いながらわかりやすく説明しています。
建築中の構造現場説明会や、完成現場見学会もご好評いただいています。
ぜひ高気密高断熱の家を体感してみてください。


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