家づくりコラム

さて「地盤の話1」では軟弱地盤の怖さについてお話ししました。
今回は、建築地に家を建てても大丈夫なのかを判断する地盤調査のお話です。

  1. 地盤調査の流れ
  2. SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)
  3. SDS試験(スクリュードライバーサウンディング試験)
  4. 実際の調査の様子をみてみよう
  5. 緊張の調査結果

地盤調査の流れ

地盤調査のおおまかな流れは図面決定→調査申込→現地にて試験→結果報告となり、調査を申込むと混んでいなければ1週間ほどで試験が行われます。

図面決定後に試験を行うのは、建物の形によって調査をする地点が変わってくるためです。
基本的には建物の四隅、そして中心部分で試験を行います。

もし、やむを得ず試験後に建物の形や面積が変わったら・・・
当然試験をやりなおすことになります。



アイフルホームではSWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)とSDS試験(スクリュードライバーサウンディング試験)を併用しており、図の場合は①②③④地点でSWS試験、★地点でSDS試験を行います。
なんだか難しい名前が出てきましたね。さらっと試験内容を紹介します。

SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)

SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)は、戸建住宅の地盤調査方法として広く行われている試験です。
この試験では地表面から深さ約10m程度までの土の固さや締まり具合が判別できます。



SWS試験の方法



①スクリューポイントをつけたロッドにおもりを1個ずつ載せていき、地盤に貫入します。
②おもりを全部(100kg)載せても沈まなくなったら、次にハンドルを回転させて、貫入させます。
③ロッドを継ぎ足しながら、25cmずつ貫入させるのに要した回転数を記録していきます。通常、10mの深さに達するか、固い地層に達するまでこれを続けます。

載せたおもりの重さとハンドルの回転数を計ることで、地盤の固さがわかります。固い地層ほど貫入させるための回転数が多くなり、柔らかい地層ではハンドルを回さなくても重さだけで沈んでいくというわけです。


SDS試験(スクリュードライバーサウンディング試験)


スクリュードライバーサウンディング試験は、地表面から深さ約10m程度の地盤の緩さや土質を把握するための試験です。
SWS試験ではわからない土の種類を正確に判断し、より的確な地盤評価を行います。



SDS試験の方法



①25kgのおもりを載せ、1回転貫入した際の、荷重・貫入深さ・貫入量などの数値計測を行います。
②貫入量が25㎝に到達するまでおもりを増やし、その都度数値を計測します。
③ロッド周りの摩擦を算定するために、25㎝貫入毎に1㎝引き上げて、ロッドにかかる平均トルク・最小トルク・最大トルクの計測を行います。②で計測したトルクとロッドに作用する周面摩擦を差し引いた補正トルクを算出することで、計測箇所の正確なデータをとります。
④ロッドを継ぎ足しながら①②③を繰り返し、25㎝毎にデータを記録していきます。通常10mの深さに達するか、十分に固い地層に達するまでこれを続けます。
各種計測データを解析することで地盤の緩さや土質を把握することができます。

実際の調査の様子



調査当日、地盤調査会社の作業員さん一人と、レジくらいの大きさの機械が現場にやってきます。
建物の配置が縄でマークされていますので、それを目安に検査します。
柔らかい地層ではロッドがスルスルと降りていき、硬い時はガリガリッと削っているような音がしますので、見ていると感覚的に「柔らかそう」などわかるかもしれません。
4隅と中心部、現場によってはさらに何点かを調査し、2~3時間ほどで作業が終わります。



緊張の調査結果


試験でデータ採取ができたら後は持ち帰っての解析作業、早ければ次の日に結果が伝えられます。
果たして地盤改良が不要か必要なのか!ドキドキしつつ・・・

次回は調査報告書の見方を紹介します!
地盤の話1~軟弱地盤で何が起こるのか~
地盤の話3~地盤調査報告書を読み解く~
地盤の話4~地盤改良工事って何するの?~


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